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 ライチョウの仲間は現在地球上に17種生息しており、日本の中部山岳に生息しているものは,学名( Lagopusu Muta ) という種の亜種の別名ニホンライチョウとも言われる日本固有種で、季節により羽の色が変化する。英名ではPtarmigan。ちなみに英名Grouseは羽の色を変化させない別種。

 かつて北極圏に生息していたものが氷河期に日本付近まで南下して生息域を広めた。しかし約2万年前氷河期が終わると、平均気温の上昇とともに年月をかけて日本アルプスの山頂付近へと逃げるように取り残されてしまったのが今のライチョウである。そのことからライチョウは生きた化石とも呼ばれている。高山植物もまた同じように日本アルプスに取り残された格好になる。

 このような同じ運命を辿ってきた高山植物はライチョウの重要な餌となっているが、高山植物も近年の地球温暖化での気温上昇に適応出来ずに絶滅してしまうと言われている。要するに、この先もライチョウと高山植物は運命共同体なわけで、山頂まで逃げ延び共に命を繋いできたもののもはや後がないのは何たる皮肉であろうか。

 しかし、全てに弱いわけでも無いのがライチョウだ。気温-20℃以下の極寒ともいえる環境に適したライチョウの生き方を真似をすることは出来ない。そのことからも正に高山の雲上の覇者と言えよう。足指の先まで羽毛に覆われており凍えることはない。また鋭い爪を持ち、クラストした雪面でもしっかり氷結の大地を掴むことが出来季節により羽の色を変え敵を欺き身を守る術を持っている。私が持つライチョウのイメージは果てしなく逞しいのだ。孤高の鳥ライチョウは雲上の覇者としての凄味を発揮して生きている。

 

 昔から人々はそんな高山の鳥を神の鳥と呼び崇めてきた。自分自身もその気高く生きる姿に感動し人生観まで変えられた気がする。そう、そんなライチョウに取りつかれたわけだ。しかし、多くの人を魅了して止まないライチョウはさほど人間には関心が無さそうでもある。雲上の鳥はやはりどこか違う。

​       ライチョウは雲上の覇者

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